"とても気に入ってるの”
「私も歳をとったわぁ」と可愛らしい笑顔をみせるのは、先日外壁の塗装工事を行ったお宅のおばあちゃま。
お打合せ当初から、常に笑い声が絶えず、マイペースで、それでいて眼光鋭く、毅然とした姿勢でハキハキと物を言う。
施工中も、あいにくの雨で工期が延びてしまった事を恐縮している私に、「雨は仕方がないわ。まぁ〜 気長に待つわ」とのんびりしながらも、何事にも動じない威厳の様なものを感じる。
聞くと、若い頃に海外でお仕事をされていたそうで、様々な国を訪れ、3ヶ国語を操るバイリンガル!その当時目にした海の色が忘れられないらしい。
予定の2倍も工期が延びてしまったが、おばあちゃまご希望の”海のような碧”色にも満足して頂き、ようやく完工。
お気に入りの”海のような碧”
数日後、興奮した様子でおばあちゃまから電話が掛かってきた。
「見せたい物があるから来てほしい」
伺ってみると、1枚の新聞の切り抜きを手渡された。
そこには、カラフルな建物が建ち並ぶイタリアはヴェネツィア
の港町が載っていた。
おばあちゃまは、その記事を見たとき、若かりし頃の記憶と
オーバーラップしてか、是非見てほしいと電話をしてきたよう
だ。
そしてその記事を指さして
「うちと同じ色ね 私とても気に入ってるの。」
といつもの笑顔だった。
嬉しそうに見せてくれた新聞記事 3月16日 読売新聞
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